【26種類】法人企業がチェックすべき節税方法総まとめ

節税する方法の一つに事業を法人化するという手段があります。法人化は節税に有効なのですが、やり方を間違えると問題も起こります。脱税にならないように注意する必要があります。正しい方法を知って、効果的な節税を行うようにしましょう。






1)そもそも節税って?

【1】節税の定義って?

節税の定義は、税法が予定している範囲で税負担を減少することです。例えば、必要経費を適切に計上することで、課税所得を圧縮したり、税額控除等を利用し、税金の額を少なくすることです。

【2】脱税に注意?節税時で注意したいこととは?

先ほども書いたとおり節税とは、税法が予定している範囲で税負担を減少することです。従って、課税される要件があるにも関わらず、これを故意に隠して、課税を不法に免れようとすると脱税になってしまいます。

例えば、売上をわざと除外したり、架空の経費を計上したりして、所得を圧縮する行為は脱税となります。脱税をしてしまうと、延滞税、加算税、刑事罰といった罰則の対象になりますので注意しましょう。

2)所得税と法人税の違い

【1】税率

所得税は、所得が多い方ほど税率が高くなる超過累進税率で課税されます。その税率は5%から45%になっています。一方、法人税は比例税率です。法人税の税率は、平成30年4月1日以後に開始する事業年度について23。2%となります。税率は左記の一定になります。また、中小法人など一定の法人については800万円まで15%の軽減税率が適用されます。

【2】所得・経費の範囲

課税の根拠対象となる所得・経費はどこまでが範囲でしょうか。所得とは、単純な利益とは異なります。利益は、収益から費用および損失を差し引いたものです。

一方、法人税法上の所得は、益金から損金を差し引いたものですので、利益と所得の間にもズレが生じることが一般的です。経費とは、事業を行う上で、必要不可欠なコストのことで、所得の計算上、売上から差し引くことができます。

経費か否かのポイントは事業で必要な費用であるかどうかです。

【3】赤字の場合

赤字の場合、税金はどのようになるでしょうか。赤字の場合は、所得が0ということになりますので、所得に対して課税される所得税の支払は不要となります。

【4】所得控除

所得控除とは、所得税を課税する際に所得金額から差し引くことができる金額です。所得控除額を差し引いて計算された額が、所得税の課税対象となります。

基礎的な控除としては、すべての納税者に対し無条件に38万円が認められる基礎控除がある他に、家族事情によって認められる配偶者控除、扶養控除、配偶者特別控除などがあります。

【5】青色の損失の場合の繰越控除

青色申告では、損失の場合の繰越控除ができます。赤字の年に確定申告すれば、最長3年間赤字を繰り越すことができるのです。これにより翌年度以降、黒字化した時の節税対策にもなります。

スーツ姿の男性が街を歩く

3)個人事業主と法人化はどちらが節税できるか?

【1】個人事業主とは

個人事業主とは、法人ではなく「個人」で事業を行っている人のことを指します。

【2】法人とは

法人とは、人間ではありませんが、法律上人格を認められ、法律行為を有効に成して、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたものです。事業を行う上での「会社」も、法人に当たります。

【3】個人事業主が法人化すると節税になる理由

法人は税金面で、個人時魚主には無いのメリットがあります。個人事業主に課税される所得税と、法人に課税される法人税を比較してみます。食税に比べて、法人税は累進性が低いというメリットがあります。

また法人の場合、所得の一部を経営者の報酬とすることで、そこには所得税が課税されますが、残りの部分には、法人税の課税とすることができます。

4)税理士に相談するメリット

【1】ミスのない書類を作成することができる

例えば、市販の確定申告ソフトを使って、自分で決算書から確定申告書まで作成することが、出来なくはありません。しかし、税に関するルールは非常に複雑です。

しかも度々税制改正が行われます。そのような最新のルールを個人が完全にフォローすることは困難です。そのようなことに時間と労力を割くなら、事業に集中するべきです。

それに、万が一間違った書類を作成して申告をしてしまった場合には、追徴され延滞税を払わなければならなくなるケースも発生します。そのようなことを防ぐためにも税理士に相談することは、メリットがあります。

【2】税に強い相続・会社経営をできる

税理士には税制ルールのプロです。従って、相続といった大きな課税が心配される局面や、会社経営の中で賢く税金とつきあう知見をもっています。そのようなノウハウを提供してもらうことで、税に強い経営を実現することができます。

【3】節税方法の詳細を相談できる

税理士と契約することにより、有利な税制や特典をご提案してもらえます。資産状況や事業の状態をもとにして、節税策を提案してもらったり、節税方法の詳細を相談できます。

5)節税をする方法を考える前行うべきチェック

【1】チェック1:自身の会社の利益を把握する

節税をする方法を考える前には、まず自身の会社の利益を把握してください。「利益を把握」といっても難しく考える必要はありません。利益とは、売上から原価・経費を差し引いたものです。

損益計算書を見れば分かることです。その中で、何で売上を建てることが出来ており、何が原価として発生しており、何が経費として計上されているかを分析できるようにしてください。

【2】チェック2:節税の年間スケジュールを立てる

節税の年間スケジュールを建てましょう。スケジュールといってもどのようなことをすれば良いのでしょうか。3月決算の会社を例とします。4月から6月の第一四半期には、法人税、商品税の納付準備をします。

キャッシュの管理が重要な時期です。7月から9月の第二四半期は、7月中に社会保険の算定基礎届けの提出と、労働保険の年度更新を行います。また、給与所得者が10人未満であれば、納特による源泉所得税の納付があります。

10月から12月の第三四半期は、税金の中間納付があります。企業によって、法人税と商品税の中間脳を行います。そのため、キャッシュの管理が重要になります。また、所得税の過不足を調整する年末調整が必要です。1月から3月の第四半期は、決算に向け他法定調書作成や正津税対策の実施が必要になります。一年の中で一番忙しい時期になります。

プレゼンテーションをするビジネスマン

6)これだけ知っておけばベスト!法人で検討したい26の節税方法

【1】アイディア1:お金を使わない王道型節税

(1)未払金、未払い費用の計上

今期中に発生した費用ではあるものの、支払いをするのが翌期になる費用について、決算に経費として計上することで、今期の節税になります。

(2)役員報酬の金額の見直し

役員報酬の金額の見直しすることで節税になります。ポイントは3つあります。会社利益に対する法人税率を下げて会社の税金を減らすことです。役員報酬に対する個人所得税率を下げて個人の税金を減らすこと。変更する役員報酬の額を工夫し、社会保険料の負担をできるだけ軽減させることです。

(3)旅費規程の作成

旅費規定を整備した上で日当を支給すると、該当の金額は通常の給与と異なり、非課税所得として取り扱われます。法人税を発生させずに会社から個人へ資金を動かすことができるため、節税となります。

(4)在庫の評価見直し

在庫の評価方法には、最終仕入原価法、低価法、先入先出法があります。当期に仕入れた商品や原材料などのうち、在庫が出ればそれを棚卸資産として計上し、仕入から除外することになります。棚卸資産の評価が高ければ、仕入が少なくなるため、当期の利益は増えることになり、納付する税金も増えます。逆に棚卸資産の評価が低ければ、仕入が大きくなり、当期の利益は小さくなるため、納付する税金が減ります。そのため、適切な在庫の評価を選択することで、節税することができます。

(5)特別償却・税額控除

中小企業の投資を促進するための税制優遇措置として、特別償却や税額控除が用意されています。特別償却は一定の条件を満たすことで、課税繰延できるものです。また税額控除については、恒久的に税額が減るものであり、更に節税効果は高くなります。

(6)不良債権を経費にする

改修できない売掛金や貸付金は、不良債権として経費にすることができます。そのためには、いくつかの条件があり、会社更生法、民事再生法といった法律の規定に基づいて切り捨てられた金額については、経費にできます。

次に、相手先が死亡、失踪、行方不明などの場合についも、すぐに経費にできます。また、相手先との取引がなくなって1年以上経過した場合は、1年待てば経費にできます。

(7)評価損

通常は、棚卸資産の時価下落によって、法人が資産の評価替えを行い、帳簿価額を減額したとしても、減額した金額は損金に算入できません。しかし、例外として帳簿価額の減額を条件に、評価損の損金算入が認められるケースがあります。

そのケースとは、物損等の事実及び法的整理の事実が生じた場合、会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生計画認可の決定があった場合、民事再生法の規定による再生計画認可の泱定その他これに凖ずる事実が生じた場合です。

これに該当すれば、評価損をもとに節税できます。

(8)除却・廃棄

設備などを除却・廃棄することによって、節税を行うことが出来ます。設備を廃棄業者に引き取ってもらい、廃棄証明を証拠とすることで除却損を計上することができます。今後使う事が無く、税務上除却することが可能です。会計上の簿価を経費として落とします。

(9)自宅を社宅にする

自宅が賃貸である場合、会社で契約して社宅化することで節税できます。それにより、自宅の家賃相当分を会社の経費にすることができます。なお、この場合の注意点としては、会社が個人から社宅の利用料を徴収する必要があるということです。

(10)飲食代の交際費と会議費

交際費と会議費を経費処理することで、所得を減らし節税することができます。なお、個人事業主の場合は事業に関係があれば交際費に制限がありませんが、法人の場合は交際費のうち経費として損金にできる金額に制限があります。

会議費の場合、損金にできる金額に制限はありませんが、1人あたり5,000円を超えないことという別の条件があります。

(11)特別減税制度

中小企業向けに特別減税制度が用意されており、活用することで節税することができます。主なものは、指定期間のうちに定められた設備投資を行うことで、法人税を減額することができる投資促進税制。

中小企業の製品製造や技術改良・発明などを支援するため、試験研究費を対象として税額控除を行うことができる研究開発税制。雇用者給与などの支給額を増加させた場合や、条件を満たした雇用者数増加を果たした事業主が、法人税の税額控除を受けられる所得拡大促進税制・雇用促進税制があります。

【2】アイディア2:お金を使った投資型節税

(1)広告宣伝

広告やCMを出すことで、その費用を経費として節税することができます。注意点としては、経費にできるのは、そのサービスを受けたタイミングだということです。今期の経費にしたい場合には、その期末までにサービスを受けておく必要があります。

(2)人材確保

人材確保のための費用も経費として節税することができます。新たに人材を採用する活動を行ったらそのための費用は損金として計上しましょう。

(3)短期前払

法人税の計算上では、前払費用として支払った金額のうち、支払った日から1年以内にサービスの提供を受けるものを短期前払費用として、支払った期に損金算入することができます。

なお条件として、一定の契約に従って継続的にサービスの提供を受けるものであること、役務(サービス)の提供の対価であること、翌期以降において、時の経過に応じて費用化されるものであること、当期中に支払いが済んでいること、という条件を満たす必要があります。

(4)中古資産の減価償却

通常、10万円以上の資産を購入した場合は、固定資産として計上され、一度に経費することはできません。減価償却費として法定耐用年数に応じて経費計上にすることになります。

しかし、中古の資産を購入することによって、固定資産の耐用年数を短くできますから、同じ金額であれば、中古資産の方が節税効果が高いということになります。

(5)消耗品の購入

継続的に使用する消耗品の購入で、利益を減らし節税することができます。本来の税法では「使い始めた日」に経費になるのですが、継続的に使用する消耗品については、購入した日に経費にできる特例があります。

但し、非常識なほど大量に購入した場合には、貯蔵品として経費から除かれる場合があるため、注意が必要です。

(6)社員旅行

社員旅行を福利厚生費として経費にすることができます。条件としては、4泊5日以内であること、社員の50%以上が参加していること、旅行代金は1人約10万円程度までであることです。

(7)決算賞与

利益が大幅に上がり、それに伴って税金も増えそうだという場合、決算賞与で節税することができます。また仮に、決算賞与の支払いが決算に間に合わない場合でも、いくつかの要件を満たすことで今期に計上することができます。

その要件とは、事業年度終了の日までに支給額を、同じ時期に支給する全従業員に対して各々通知していること、通知した金額を、事業年度終了の日の翌日から一ヶ月以内に全額支払うこと、通知した金額について今期中に損金として経理上の処理をしていることです。

ただし、決算賞与の通知を受け取った後、退職をして支払いを受けられなかった人が1人でもいた場合は、全員分の決算賞与を今期、損金には認められません。

また、決算賞与の通知から支払いまでに退職者がいなかった場合でも、給与規則等で賞与支給日までに在籍していない者には決算賞与を支給しない旨を規定している場合、決算日時点では未払いの決算賞与額が確定していないものとみなされ、全額今期の損金に認められません。

更に、翌期に決算賞与を支給し、その額が通知額と異なる人が1人でもいた場合、遡って今期の損金には認められなくなります。

(8)従業員社宅

会社名義で従業員社宅を契約すると、会社の経費とすることができます。但し、全額を会社で負担すると給与提供に同じと見なされ、社員の所得税、住民税、社会保険料などが増額となってしまうため、注意が必要です。

(9)別会社の設立

別会社の設立することで節税できる場合があります。まず決算日をずらして利益をキャッチボールできます。また、新設会社の売上が1,000万円未満であれば、消費税の免税特典を享受できます。

青色申告を提出する中小企業者などが、30万未満の少額減価償却資産を取得している場合、その全額を経費にできます。法人税率は、25.5%ですが、資本金1億円以下の会社について、800万円以下の所得に対しては、15%の軽減税率が適用されます。

別会社に役員や従業員を転籍させれば、会社を退職することになるので、退職金を支給できるため節税になります。資本金が1,000万円未満、かつ1期目の最初の半年間の売上と給与等の支払額が1,000万円以下の場合、消費税が2期間ほど免税になります。また、交際費枠は別会社では別の枠となります。

【3】アイディア3:お金を使った保守的節税

(1)生命保険

法人の生命保険に加入することで、損金計上でき節税できる場合があります。

(2)倒産防止共済

倒産防止共済は、年間240万円まで、累計800万円までの掛け金を、全額損金計上でき、節税になります。

(3)小規模企業共済

小規模企業共済に加入することで節税することができます。払い込んだ掛金は、全額を所得控除の対象とすることができます。また将来、共済金を受け取るときに、一括受取りをすれば、退職所得の扱いとなるため、退職所得控除などのメリットを受けられます。

(4)中小企業退職金共済

中小企業退職金共済に加入することで、退職していなくても掛金納付時に経費にでき、節税となります。また掛金は1年分の前納ができるので短期前払費用の特例を使う事もできます。

(5)健康診断

会社全員で健康診断を受けることで、福利厚生費として経費にできるため節税になります。

【4】アイディア4:お金を使った消費型節税

(1)節税商品の購入

節税商品を購入することで、節税することができます。節税商品とは、航空機リース商品などです。足場レンタルで初期投資費用全額を支払った時も節税できます。

社員

7)節税には優先順位がある

【1】お金を使わない王道型節税は必須

まずは、お金を使わない王道型節税を全て行っているかどうかチェックしましょう。リスクも少なく効果があることから必ず実施すべき事項です。

【2】投資型節税と保守的節税を見極める

お金を使った節税を行う場合には、それが投資型節税なのか保守的節税なのかを見極めましょう。投資型節税は、将来的なリターンが見込めるものや資産となるものです。保守的節税は、貯蓄的にキャッシュを保全するための対応になります。

【3】消費型節税には注意が必要

消費型節税を行う優先順位は最後に検討すべきことになります。なぜならば、節税を目的と考えた場合に他と比較して、消費型節税は効果が低く、十分な節税とならないリスクが高いからです。十分に注意をして行う様にしてください。

8)節税についてのQ&A

【1】法人生命保険が節税になる理由はどんなもの?

法人生命保険が節税になるのは次のものがあります。まず貯蓄性のある生命保険では、適切なタイミングで解約することで、支払った保険料の総額の大部分、または総額以上の額の「解約返戻金」が返ってくるため、保険料を払うことによってそのお金を「解約返戻金」として積み立てていると見なせます。

また、長期平準定期保険、逓増定期保険、全額損金定期保険、法人がん保険については保険料の全部または一部を損金に算入できます。

【2】節税のための法人生命保険に入るメリットは?

節税のための法人生命保険に入るメリットは、一般的な節税方法よりも節税効果が高いという理由が挙げられます。また、緊急時の予備資金を貯めておく効果があります。そして節税しながら保障を受けられるという点がメリットです。

【3】節税のためのおすすめの法人生命保険はある?

法人向け生命保険には、主に5つの種類があります。それは、長期定期逓増定期養老保険医療保険がん保険です。その中でも、節税効果の高いのは、長期定期と医療保険になります。






まとめ

【1】節税とは、税法が予定している範囲で税負担を減少すること。

【2】法人税法上の所得は、益金から損金を差し引いたもの。

【3】税理士に相談することは多くのメリットがある。

【4】まずはお金を使わない王道型節税をしっかりと行う。

【5】法人生命保険への加入で節税になる。

 

<参考>

・経営ハッカー|https://keiei.freee.co.jp

・freee|https://www.freee.co.jp/kb/

・士業ネット|http://www.sigyo.net/zeirishi/work02.html

・税理士紹介担当者コラム|http://www.zeirishi-shoukaicenter.com/columns/

・富裕層向け資産防衛|https://gentosha-go.com

法人保険比較.NEThttp://法人保険比較.net

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髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

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ABOUTこの記事をかいた人

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他