ドクター必見!医師ができる節税テクニック4選

医師は医療の事だけ考えておけば良いのでしょうか。本業としてはそうですが、税金に関することも正しくと知って、しっかりと節税するようにしませんか。忙しいかもしれませんが、そうすることで数年で大きな差が出てくる可能性があります。






1)医師ができる節税は何?

【1】給与所得控除

医師ができる節税として、まず勤務医の場合を見てみましょう。勤務医は給与所得者ですから、給与所得控除が引かれます。これは必要経費に相当するものとして、控除が認められている制度です。給与所得者の収入の一部を、課税対象から外すことができます。

【2】特定支出控除

勤務医や専門職は、高額な医学書の購入や学会への出席といった出費のために、他の給与所得者よりも経費がかさみます。そのため、給与所得控除だけでは実際の経費が十分にまかないきれません。そのために、「特別支出控除」という制度が設けられています。これは、その年の給与所得控除額の1/2を超える場合に、その金額を給与所得控除後の所得金額から、差し引くことができるというものです。

2)何が控除の対象になるの?

【1】給与所得控除の場合

給与所得控除は、実際に使った費用の実費部分を控除する制度ではありません。給与等の収入金額に応じて、控除額が決定されます。給与等の収入額が180万円以下の場合、収入額の40%が給与所得控除額になります。

ただし、その額が650,000円に満たない場合は、650,000円となります。給与等の収入額が180万円を超え360万円以下の場合、収入金額の30%に180,000円を加えた額が、給与所得控除額になります。給与等の収入額が360万円を超え660万円以下の場合、収入金額の20%に540,000円を加えた額が、給与所得控除額になります。

給与等の収入額が660万円を超え1,000万円以下の場合、収入金額の10%に1,200,000円を加えた額が、給与所得控除額になります。給与等の収入額が1,000万円を超える場合、2,200,000円が給与所得控除額になります。

【2】特定支出控除の場合

特定支出控除は、その対象になるものが定められています。その対象とは、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費です。勤務必要経費とは、図書費、衣服費、交際費等の支出で、その合計額が65万円まの支出に限ったものです。これらの支出について、実際に職務に関係する出費であるということを勤務先に証明してもらったものが対象になります。証明書は国税庁のホームページから出力できます。

医者

3)控除を受けるための手続きは?

【1】給与所得控除の場合

源泉徴収によって年末調整されていれば、給与所得控除は適用されるため、確定申告の手続きは不要です。

【2】特定支出控除の場合

特定支出控除は、年末調整で処理されません。そのため、自分で確定申告を行う必要があります。確定申告書に特定支出控除の適用を受けること、および合計金額を記載します。そして、特定支出に関する証明書、特定支出を証明する明細書、源泉徴収票の3つを添付します。特定支出に関する証明書は、勤務先で記入してもらいます。特定支出を証明する明細書は領収書等です。源泉徴収票は、勤務先に発行してもらいます。

4)もっと効率良く節税するには

【1】開業医になる

開業医になると、自分の頑張りがそのまま収入増に繋がります。さらに、事業に関連する費用は、経費として計上できます。

【2】法人設立

法人を設立することで節税ができます。これにより、事業に関連する費用を、経費をとして計上することができます。また、配偶者などの家族を役員にすると、所得の分散ができ節税になります。

【3】MS法人設立

MS法人とは、メディカル・サービス法人のことです。MS法人は、ホームページの作成や運用、医療機器のリース、備品類の管理や販売といった業務を、医療法人から移管されるケースが多くあります。MS法人は、医療法人では行うことのできない分野の事業を、担うことができるのです。このMS法人の設立により、節税が図れます。

【4】不動産投資

不動産投資は、資産形成を図りつつ節税もできる方法です。また、時間を費やして経営を行う必要が無いため、忙しい医師に向いている節税方法だと言えます。

医師 指差し

5)節税になる仕組み

【1】開業医になる

開業医になると、事業に関連する費用は、経費として計上できます。その結果、課税対象の所得を減らすことができます。課税対象の所得が減ることで、納税額も少なくなるため、節税になります。

【2】法人設立

法人の収入に対して課税される法人税の実効税率は30%以下であり、課税所得が900万円を超える個人に課税される、所得税と住民税を合わせた税率の43%に比べると、税率を低く抑えることができます。なお、勤務医の場合、法人の収入にできるのは医療サービス以外の収入になります。

【3】MS法人設立

MS法人を設立することで、従来は勤務先病院から支払われていた給与の内の一部を、コンサルティング料として、法人収入に移す方法があります。もちろん、コンサルティングの実績がなけらば認められるものではありませんが、何らかの指導を行っているということであれば、このような方法もあるのです。もちろん事業に関連する支出は、経費化することが可能です。

【4】不動産投資

給与所得と不動産所得との損益通算ができるため、仮に不動産投資で利益がマイナスになった場合には、課税対象の所得を減らすことができます。また、不動産投資に関わる、不動産取得税やローン保証料、固定資産税、修繕費用などを控除できます。さらに建物の購入費用を減価償却として経費にして、控除できます。

医師 案内

6)医師の節税に関するQ&Aコーナー

【Q1】開業医と勤務医の違い

開業医と勤務医の違いは何でしょうか。それは、開業医であれば、経費を計上できるという点です。つまり、開業医の方が勤務医に比べると、節税の恩恵を受けられるように自分でコントロールしやすいと言えます。

【Q2】ふるさと納税は節税になるの?

ふるさと納税も、実質的な面で節税対策になります。ふるさと納税は、納税者が自治体を選んで寄付する制度です。寄付という形で払い込んだ金額が、翌年の税金から控除されます。いくら寄付できるかは、所得に応じて決まっています。

寄付した合計金額から、2,000円を差し引いた金額が、翌年の所得税と住民税から控除されます。こう書くと、寄付金額と翌年の控除分とでプラスマイナスゼロ(実質2,000円の負担)に思えますが、寄付先の自治体からの返礼品がもらえることによって、実質的な節税というわけです。

【Q3】不動産投資にリスクは無いの?

不動産投資は、投資である以上、一定のリスクを伴います。主な不動産投資のリスクは、「空室リスク」と「家賃下落リスク」、「金利上昇リスク」です。空室リスクとは、投資対象の部屋に入居者が決まらず収入が得られないというリスクです。家賃下落リスクは、空室リスクと関連しています。入居者が決まらない場合は、一般的に家賃を下げるという対策を行います。

その結果、収入が継続的に減ってしまいます。また、近隣環境の変化や競合物件の家賃低下により、自分の物件の家賃を下げざるを得ない、ということがあるかもしれません。金利上昇リスクは、ローンを組んで不動産を取得した場合に、金利の上昇によって、ローン支払額が増えてしまうリスクです。金利が上がったとしても、家賃を上げられるわけではないので、継続的に収入が減ってしまいます。これらのリスクも想定しないが、運営していく必要があるのが、不動産投資です。

【Q4】その他に節税になる項目は何がある?

ここまでに、開業医になる、法人設立、MS法人設立、不動産投資といった節税方法を紹介してきました。その他に節税になる方法は、ないのでしょうか。確定申告を行うことで、控除できるものが医療費控除です。医師でも病気になり、病院のお世話になることがあります。

その時に掛かった費用は、一定の条件を満たすと控除の対象になります。その条件とは、保健医療の場合、実際に負担する金額が10万円を超えた場合、10万円を超えた金額を最大200万円まで控除できます。しかもこの医療費控除は、自分の医療費だけではなく、同居の配偶者、親族の分も合算できます。






まとめ

・医師ができる節税は給与所得控除と特定支出控除。

・特定支出控除は年末調整で処理されないため自分で確定申告を行う必要がある。

・開業医になる、法人設立、MS法人設立、不動産投資は効率良く節税できる方法。

・ふるさと納税は直接的な節税にはならないが、実質的な節税になる。

・「空室リスク」と「家賃下落リスク」、「金利上昇リスク」を理解して不動産投資をしよう。

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髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

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1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他