海外移住で節税になる仕組みとは?賢い富裕層が実践している事3選

日本は高額所得者が支払う税金が多い。そんな話しを聞いたことありませんか。事実、富裕層の中には海外移住をして節税している人たちがいます。一体、どのような仕組みで節税になるのでしょうか。賢い富裕層が実践している節税のための事を紹介します。






1)外移住で節税するための最低条件は?

日本の所得税の課税基準は、「居住者」かそうでないかという事で決まります。海外移住して節税効果を上げるためには、税法上の「居住者」という立場から離れる必要があります。税法でいう居住者とは、「日本に住所が有って現在まで継続して一年以上居所が有る個人」が該当します。

住民登録の有無や滞在日数は住所、居所の判断要素とはなりません。客観的に見て生活の拠点があるかどうか、職務の内容や契約内容などによって判断されるということです。居所とはその人が居るところを指します。日本以外の国に生活の拠点を持っているとしても、日本の居住者である要件を備えている場合には、日本の居住者と判断されます。

2)非居住者になって節税するために実践すべき3つのこと

日本の非居住者になるためには、次の3つの条件を満たように実践しましょう。

【1】滞在期間の条件

1年以上日本に滞在しないという条件を満たすことが必要です。相続税の節税を考えた場合、相続はいつ開始するか分かりません。そのため、常に滞在期間を1年以内にとどめなければならないということになります。

【2】住所の条件

日本に住所がないという条件を満たす必要があります。具体的には1年以上、日本に居住しなければならないような労働契約や労働実績がないこと、生計を一にする配偶者その他の親族が日本にいないことなどが判定基準になります。

【3】非永住者になる

日本の居住者であっても、非永住者である場合に課税の対象となりません。その結果、所得税などを払う義務はないということになります。非永住者とは、居住者のうち日本国籍をもたず、過去10年以内に日本で5年以上住所、または居所を持っていない人のことです。その条件は次の2つです。

(1)日本国籍がない

まずは、日本国籍がないことです。日本以外に国籍があれば日本国籍を離脱することになります。

(2)日本に住所居所を持っていない期間

次に、10年間に5年以上日本に住所居所を持っていないことの条件です。これを実現するために、移住直後5年以上は日本に住所居所を持たないということが必要です。海外に住居を移して5年を経過した場合も、その後の年間の帰国日数を計算しながら暮らす必要があります。

海外で継続して1年以上居住することが条件となる労働契約や労働実績などを持つことで、非永住者と判定される基準をクリアできる可能性が高くなります。また、日本に配偶者などの生計を一にする親族がいないことも、条件になります。

パスポートを持つ男女

3)非居住者は消費税も節税できる

2019年10月からは消費税も増税されて10%になる予定です。非居住者はその消費税も節税できます。海外に移住しており、日本に一時帰国して、免税を認められたお店で買い物をする場合、免税カウンターで手続きすることで免税になります。その条件とは、次の4つです。

【1】外国滞在者である

外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者という条件に該当する必要があります。

【2】出国目的

2年以上、外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者という条件を満たす必要があります。

【3】滞在期間

上記の【1】と【2】の条件を満たさない場合でも、日本出国後、外国に2年以上滞在した人は対象になります。

【4】一時帰国の日本滞在期間

上記の【1】と【2】と【3】の条件を満たすことに加えて、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の人が対象になります。

4)「居住者」となる決め手183日ルールとは

「居住者」の定義は国によって様々です。しかし、一般的には183日ルールと言って、年間で183日以上、その国に滞在すると「居住者」とみなされます。つまり、日本での滞在日数が183日未満(1年の半分未満)であれば、「非居住者」になるということです。そして、日本よりも税金の安い国の「居住者」となることで、節税が実現するということになります。

若いサラリーマン

5)各税金の課税判断はどうなっているの?

日本の所得税、住民税、相続税、贈与税の課税判断はどうなっているのでしょうか。海外移住によって節税するにはどうすれば良いか各税金別に見ましょう。

【1】所得税・住民税

所得税納税者は、大きく居住者と非居住者に区分されます。居住者はさらに永住者と非永住者に区分されます。居住者は世界中で得られる所得に対して課税されるのに対して、非居住者は日本国内で得られる所得に対してのみ課税されます。住民税は、非居住者には課税されません。

毎年1月1日の住所地で判定されます。ここで言う住所とは何を指すのでしょうか。法で規定する住所とは、各人の生活の本拠をいいます。そして、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によつて判定されます。居住者・非居住者の区別は実質判断なので、客観的事実が整えば、非居住者と判定されるというわけではありません。

【2】相続税・贈与税

相続税と贈与税は、住所、国籍、居住期間が10年以上であるかによって区分されます。財産を貰う人が日本国籍の場合には相続人・受贈者と被相続人・贈与者の双方が5年を超えて日本に住所がないときには、日本国内の財産のみに対して課税され、それ以外は世界中の財産に対して課税されてしまいます。

また、5,000万円を超える財産は課税当局へ報告する義務があります。

6)税制優遇のある国

では、日本よりも節税できる税制優遇のある国はどこでしょうか。海外移住する先の参考にしてください。

【1】スイス

スイスと言えば、スイス銀行と言えば世界中のお金持ちが資産を預けていることで有名です。スイスが多くのお金持ちに選ばれる理由は、そのプライベートバンクの守秘義務・信頼性に加えてその税制があるためです。この税制は「Swiss lump sum taxation」と呼ばれます。外国籍でスイスの居住権を得た者は、国外からの収入を一時金として処理することができます。

これによって通常の所得税や富裕税を回避することができます。特にZug, Vaud, Valais, Grisons, Lucerne やBerneといったカントンでは制度が利用しやすくなっています。この制度を利用すると、年間20万スイスフランから40万スイスフランの負担だけで、収入を全て費用として控除することができます。これは日本円に換算すると2,300万円から4,600万円に相当します。

【2】イタリア

イタリアで2017年に施行された新税制「The NEW ITALIAN NON-DOMICILED TAX REGIME」によって外国人がイタリアに移住する場合に非課税にすることを決まりました。これは、新しく外国人がイタリアに居住権を得る場合に適用されます。その新しい移住者がイタリア国外で発生した収入のうち、年間10万ユーロと家族一人につき2.5万ユーロまでを一時金として非課税にできます。更に、非課税は10年間に渡って続きます。

【3】マルタ

マルタは地中海に浮かぶ小さな島国です。風光明媚なイメージで有名です。外国籍でマルタに居住権を持つ者は、国外から得られる収入に対して所得税がかかりません。ただし、マルタ国内で収入を得た場合には、0%から35%の所得税がかかります。マルタには、相続税、贈与税、富裕税などがありません。マルタの居住者になる条件として、40万ユーロ以上の不動産を購入するか、年間2万ユーロ以上の家賃の部屋を借りる必要があります。

【4】モナコ

モナコは、毎年モナコグランプリ開催される都市であり、観光客も多い国です。モナコは所得税0%、相続税0%、贈与税0%のタックスヘイブンです。このタックスヘイブンとしての利用が多いため、モナコ住人のうちモナコ人は16%ほどしか居ないほどです。

モナコを居住地とする条件としては、現地の銀行に口座を開設し資産の証明をすることと、少なくとも50万ユーロの残高が必要になります。加えて、居住の証明も必要になります。ただし、モナコの物価は世界でも最高水準になっているため、節税だけではなく、生活コストも考慮に入れて検討しましょう。

Q&A コーナー

7)海外移住に関するQ&Aコーナー

【1】節税目的の海外移住で気をつけるべき事はある?

節税目的の海外移住を検討するときに、気をつけるべき事は何でしょうか。それは、医療や介護のことです。実際に海外移住した人がすぐに日本に帰国してしまう大きな理由は、医療・介護の問題のためです。

医療や介護という健康に関することは、日本語で直接医師と話をする方が楽です。特に、医療や介護に掛かる状況であれば尚更です。

もし、現地の医師が日本語対応可能だったとしても、正確に日本語を理解してくれる保証はありません。相続税対策のためだけに、日本の高度な医療と介護、そして日本語で話せる安心感を放棄してしまうことに不安は無いのか十分な検討は必要です。

【2】海外移住による節税に適しているのはどんな人?

海外移住による節税を実現するには、いくつかの条件を満たす必要があります。そのため適している人と、適さない人が出てきます。適しているのは、日本国内に不動産資産をもっておらず、さらには拠点を置かなくても問題ない人です。不動産資産を持っている場合は該当しません。

そのため適さないのは、大家などの経営者はです。まず海外移住の対象外となってしまいます。また、海外移住をしたとしても、日本国内にある財産については相続税の対象になります。また、日本の不動産で発生した所得は日本に税金を納める必要があります。

また不動産資産を持っていないとしても、日本で店舗を設けていたり、何人もの社員を雇用している事業を行っている場合、海外移住で社長が年の半分以上は会社を空けることになるため、事業に支障が出ます。もう一度適する人は誰かということを見ます。適しているのは、FXや株などで生計を立てているトレーダーや、インターネットビジネスで稼いでいる人です。これらの人は住む場所に関係無く稼ぐことができるからです。

【3】海外移住で税金以外にも節約できることがあるの?

住民票を抜いて、住所が日本から無くなると、住民票を払う義務が無くなります。また住民票を抜くことで、健康保険料・国民年金も停止となります。その結果、健康保険料・国民年金料の支払いをする必要がなくなり節約になります。ただし、当然保障も無くなりますので自分にその保障が必要かどうかも合わせて考えるようにしましょう。






まとめ

日本の所得税の課税基準は、居住者かそうでないかという事で決まります。海外移住して節税するには、税法上の居住者という立場から離れる必要があります。税法でいう居住者とは、「日本に住所が有って現在まで継続して一年以上居所が有る個人」が該当します。

<参照>

DIAMOND online(https://diamond.jp/list/welcome)
SUU online(https://zuuonline.com/)
うさみライフ(https://usamilife.com/)
海外送金.com(https://xn--7rs178bkgjf7vk8bba.com/)
Limonz inc(https://ph-srrv.com/)
坂本剛税理士事務所(https://www.sakazei.com/)
お金のカタチ(https://venture-finance.jp/)
新時代の相続税対策(https://www.family-office.co.jp/)
節税ラボ(https://finance-shikin.com/)
現代ビジネス(https://gendai.ismedia.jp/)

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髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

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1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他