【会社設立】費用総まとめ!起業時の財務面を徹底解説

会社を作って自分の事業を始めたいと夢見る人は多いですが、やはり気になるのはその設立の手続きや費用です。会社の設立にどのような手続きや費用が必要なのかがわかれば、それだけ会社の設立計画も立てやすく、計画も現実的なものとなり、夢の実現に近づきます。






1)会社設立に必要な費用は最低6万円

【1】会社の種類を考えよう

会社を設立することを考える際に、まず決めるべきは会社の種類です。現在、日本では「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類から選んで設立することができますが、今はほとんど全てと言っていいほど「株式会社」と「合同会社」です。

【2】株式会社は約20万円が最低ライン

株式会社は、会社の中でメジャーな形態であり、それゆえに多くの人がイメージする会社のスタイルとなります。今は資本金も最低1円からで可能となっており、昔と比べて設立のハードルは大きく下がっています。ただし、他の形態の会社と比較すると、公証役場での承認と登録免許税の両方が必要となる分費用が高くなり、最低でも20〜25万円ほどになります。

「ほど」と曖昧な言い方になるのは、細かい書類の発行手数料や枚数などに違いが出る場合があるためです。

【3】合同会社は約6万円が最低ライン

合同会社は日本の中でも少しずつ有名になってきている会社形態で、大きな企業も存在します。株式会社と違い、株式の発行が不要で、利益分配に柔軟性があるのが特徴で、中小企業で多く見られます。

合同会社は設立についても公証役場での定款の承認が不要で、登録免許税だけで良く、6〜10万円ほどでの設立が可能です。

【4】会社設立必要を最低にするための条件

会社設立のための費用を最低にするためには、まずは合同会社を選ぶことが必要です。そして、できるだけ外部に支払う必要を抑えるために自力で準備を行うこと、そして大事なことが電子定款を作成することです。

電子定款を作成して提出することによって、定款に必要な印紙税4万円が不要になります(株式会社・合同会社を問わない)。この条件を満たせば、最低ラインの約6万円ほどでの会社設立が可能です。

スタートライン

2)会社設立の費用は誰にいくら払っているのか

それでは、細かく会社設立の費用について見ていきましょう。

【1】会社設立の費用内訳

会社設立に費用は、大きく分けて以下の通りです(カッコ内は合同会社)

(1)収入印紙代(電子定款の場合不要):0〜4万円(0〜4万円)

(2)公証人手数料:5万円(0円)

(3)定款の謄本手数料: 2000円程度(2000円程度)

(4)登録免許税:15万円(6万円)

(5)その他費用:1〜2万円

ただし、登録免許税は「15万円もしくは資本金×0.7%の高い方」となっています。そのため、資本金が約2150万円程度になると登録免許税は上がります。

【2】その他費用とは?

会社設立に必要となる費用のうち、その他費用と上記で記載しているのは、会社の登録以外にかかってくる費用です。具体的には、交通費や、会社の印鑑を作るための費用や、役員の印鑑証明書などの発行費用、また会社の登記簿謄本の発行費用などです。また、専門家に依頼した場合にはその依頼料も含まれますが、その場合は上記の数字よりも大きくなる可能性が高いです。

【3】会社設立費用の支払い先

会社の設立費用の支払い先は以下になります。

(1)収入印紙税:印紙を購入したところ

(2)公証人手数料:各地域の公証役場

(3)定款の謄本手数料:各地域の公証役場

(4)登録免許税:各地域の法務局

(5)その他費用:費用が発生したところへ支払い

このように、ワンストップではなく、あちこちに移動して事務処理をしつつ支払いをすることになります。そのため、場所によっては交通費や時間もかかることを頭に入れておきましょう。

3)会社設立は自力でするべき?それとも専門家に依頼?

会社設立は自力で行った方が安く済みます。しかし、最近は専門家に依頼した方が安いという情報もありますが、どちらが正しいでしょうか。実は、電子定款を作成する場合には、ICカードリーダーやPDF(電子化した書類)の作成ソフトなどが必要となります。

それらの総費用が実際には3万円を超えることになりますので、それを下回る金額で請け負ってくれるなら専門家に依頼した方が安くなります。

最近はインターネット上のサービスで、より安価に電子定款の作成ができるようにしてくれるサービスも登場しています。うまく活用して初期コストを下げることを検討してみましょう。

しかし、注意もしておく必要があります。専門家による代行サービスや、システムによるサポートでは、契約の付随条件としてその後の顧問契約や継続的な有料サービスへの登録が含まれていることが少なくなく、特に格安で利用可能なものに多く見られます。設立だけでなく、その後のサービスも含めて考えていく必要があります。

スーツと私服の男性 サラリーマンとフリーランサー

4)会社設立の隠れ費用である経営者の時間に注意

会社設立のための事務手続きは、非常に煩雑で面倒と言っても過言ではありません。会社の仕事で実際に何度も企業の立ち上げに関わったことがあるという人でなければ、調べながら進めるだけでも結構な時間を使うことになります。

経営者というのは、基本的に会社の中で最も生産性の高い人のはずです。その人の時間をいたずらに奪ってしまうのは、よほど資金にゆとりが無い場合を除けば好ましくありません。

代行を依頼して浮いた時間で、経営や営業の準備をした方が事業を早く軌道に乗せられる可能性もあることを覚えておきましょう。

5)会社設立費用と資本金

上記の会社設立費用の中には資本金を含めていませんが、資本金は実際に必要となります。資本金は会社に預けるお金ということになりますが、会社設立の段階では会社名の口座を作ることができませんので、発起人の個人の口座に資本金と定めた額を振り込みます。

通帳のコピーを作成する必要がありますから、通帳のある銀行口座である必要があります。ちなみに、発起人が複数の場合、振り込んだ人の名前が残るよう、「預け入れ」ではなく「振り込み」が必要になります(1人の場合は預け入れで構いません)。

パソコンと男性

6)会社設立の費用に関するQ&A

【Q1】会社設立費用の節約ポイントはなに?

会社設立費用の節約ポイントは、まずは電子定款を作成すること、そしてその他の費用をいかに節約するかにあります。その他の費用は意外と膨れ上がりますので、本当に必要なものを厳選しましょう。

【Q2】会社設立に使った費用は初年度の経費になるの?

会社設立費用は、「創立費」という形で仕訳されます。創立費は開業までに発生した費用で、会社設立から営業開始までの費用は「開業費」として別勘定となります。

【Q3】電子定款ってWordでPDF作ったらダメ?

PDFを作成することができるフリーソフトや、オフィスソフトはたくさんありますが、電子定款を作成するためには「電子証明書」に対応しているソフトである必要があります。必要な機能を満たしたものは、ほぼ有料と考えてください。

【Q4】会社設立の支援サービスを使ったら早くて安いと聞いたけどどうなの?

会社設立の支援サービスを使うことで、会社設立手続きを効率的に行うことができるのは間違いありません。安いかどうかは支払う金額だけでなく、その後のことも含めて精査しましょう。

【Q5】会社の資本金は1円でもいいのに、そうしない人も多いのはなぜ?

会社の資本金は1円でも良く、現物支給をもってもできるようになっています。しかし、そのようにせずに資本金を設けるのは、資本金は売上がまだ発生していない会社で使える最初の資金であることや、銀行から融資を受けるための評価ポイントになるからです。過分に大きくする必要はありませんが、ある程度の金額があると安心です。






まとめ

【1】会社設立の費用は株式会社か合同会社かで異なる

【2】株式会社なら20万円ほどが最低ライン

【3】合同会社なら6万円ほどが最低ライン

【4】会社設立の費用を安くするには、電子定款の利用が必須

【5】会社設立を専門家に依頼したり、支援サービスを活用するのは有効

【6】会社設立では、経営者の時間も費用と考えるべし

The following two tabs change content below.

髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他