起業時の資金調達8つのススメ!専門家が伝える注意点まとめ

起業したいという時、まず気になるのが資金のことです。どうやって資金調達するのが良いのか。また資金調達するときの注意点は何があるのか。しっかりした事業計画を立てるにも、資金の目処が付いていることが必要。オススメの方法を知ってください。






1)起業に必要な資金はどのくらい

起業というと、一体どのくらいの資金が必要になるのでしょうか。もちろん業種や事業内容により、必要な資金は変わってきます。しかし、近年は起業に掛かるコストは低くなっています。店舗や広いオフィス、高価な設備が無くても上手にITなどを利用して低コストで起業することも、アイデア次第では可能になっているためです。

起業時の資金として、最も多い割合は100万円です。全体の1/3以上は100万円で起業しています。また50万円で起業したケースも次に多く、意外にも100万円以下での起業が全体の半分以上なんです。

2)起業後に一番お金が掛かることは何?

起業した後には、用意した資金をもとに事業を運営していくことになります。稼いで入ってくるお金もあれば、経費として出ていくお金もあります。では、出ていくお金で一番多いものは何でしょうか。

それは、人件費です。設備費や開発費、広告宣伝費などよりも圧倒的に多く、経費全体の半数以上は人件費が占めます。事業を強くするためにも、人件費に対して売上を上げられる効果を高く保つ事が出来ること、つまり、人件費対効果を高めることが必要になります。

3)起業後一番の苦労はズバリ!

起業後の一番の苦労は何でしょうか。それはズバリ、「資金調達」「資金繰り」に関することです。この「お金」は起業した人の苦労の40%以上を占めます。もうひとつの大きな苦労である「人材の確保」と共に、その割合は起業の苦労の3/4に達します。逆に言えば、ヒト・カネの苦労を乗り越えれば、事業は上手くいくと考えられます。

落ち込むビジネスマン

4)起業の失敗はここに注意

起業の失敗で最も多いのは「自分一人で、してしまうこと」「ワンマン」で事業を進めてしまうことです。これは、起業しようという独立心の強い人であれば、当然の結果だと言えます。

では、次に挙がる失敗とは何かと目を向けると、「キャッシュフローが回らない」ということです。やはり、起業とお金は切っても切り離せないものです。事業を成功させるためには、とにかく資金を上手に回すことが重要になります。そのために必要なのが、資金調達です。

5)資金調達は大きく2種類

【1】エクイティ

「エクイティ」とは、返済の必要が無い資金調達方法のことを言います。具体的には、株式を発行して資金を得る方法です。返済の必要が無いという点で魅力的な資金調達方法に思えます。しかし、注意点があります。株とは、会社の所有権と同じ意味です。つまり、資金を得るのと引き換えに、会社、つまり事業の所有権を他の人に渡すことになってしまいます。大きな割合の株式と引き換えに資金調達をしてしまうと、自らの意思を事業経営に反映しづらい状態になってしまいます。

【2】デット

「デット」とは、返済が必要な資金調達方法のことです。第三者から、いわゆる借入を行います。最も一般的な資金調達の方法です。注意点としては、借入であるため、一定の期間に一定の返済が必要になります。

事業が上手くいっていない場合でも、返済はしなければならないため、状況によっては資金繰りのために、事業経営に専念できなくなってしまう、そのおそれもあります。金利も掛かってくるため、合計では借り入れしたお金以上の金額を返済する必要もあります。

財布を持っている ビジネスマン

6)起業の資金調達8つの方法

【1】自己資金

自己資金は、文字通り自分で用意できる資金です。貯蓄などから資金に回します。借入では無いため、返済は必要ありませんし、金利負担もありません。更には株式を発行して資金を得る方法と違い、経営に口を出されることもありません。

このように最も安全な資金調達方法ではあるのですが、十分な金額を揃えるまでに時間が掛かるという点がデメリットです。資金が十分に準備できる前にビジネスチャンスが過ぎ去ってしまう可能性があります。

【2】ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルから、資金を調達する方法があります。エクイティの一つです。あなたの事業が投資家から見て魅力的であれば、ベンチャーキャピタルは成長前の割安な株をできるだけ多く買い資金提供してくれるでしょう。

資金調達するときに出来るだけ多くの資金を手に入れるため、多くの株を渡してしまうか悩むところではありますが、譲渡する株は最大で20%程度に留めておきましょう。あまりに多くの株を譲渡してしまうと、せっかく起業したのに、自分の思うような経営を進めることが出来なくなります。

【3】銀行・信用金庫

銀行や信用金庫といった民間の金融機関から資金を借り入れることも、一般的な資金調達の方法になります。ただし、それぞれの銀行や信用金庫によって、起業支援に積極的に資金貸付するところと、そうでないところとあります。そのため、複数の金融機関に相談することをおすすめします。

自治体によっては、金融機関に利息補助を行っているところもありますので、その場合にはより低金利で借入を行うことができます。また、銀行から借り入れが出来るということは、その事業に対して一定の信用を得られることに繋がります。

【4】日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、財務省所管のもとに運営されている金融機関です。起業支援の融資に力を入れているという特徴があります。民間の金融機関から借入をおこなうのと比べて、融資金額、利息金額どちらも有利な条件となることが多いです。無担保・無保証人で借り入れできる「新創業融資制度」という制度もあります。ただし、申請したとして実際に融資を受けられる割合が、2割程度であり狭き門となっています。

【5】マル経融資

マル経融資とは、商工会議所の推薦により受けられる融資です。小規模事業者経営改善資金融資制度といいます。利息も低く、無担保、無保証で借入ができるという点がメリットです。

ただし利用には、最低でも1年以上の事業実績がある会社しか利用できず、更に商工会議所の経営・金融に関する指導を6ヶ月以上受け、なおかつ税金を完納しているなどの条件を満たしている必要があります。そのため、全くゼロからの起業では無く、別事業への経営拡大や二次起業をする場合に利用を検討することになります。

【6】消費者金融

消費者金融からの借入は、非常に簡単に行える資金調達方法です。しかし利息が非常に高いため、本当にすぐに資金が必要な場合で、すぐに返済できる目処がある場合にしか、本来は利用すべきではないでしょう。消費者金融からの借入をメインにしてしまうと、資金繰りだけに負われ、正常な事業継続に支障をきたしてしまう可能性も出てきます。

【7】補助金・助成金

知名度は余り高くありませんが、実は補助金・助成金を上手に利用するのが、一番賢い資金調達の方法かもしれません。借入のように返済や利息負担の必要がありません。それに、株式を譲渡する必要もありません。

経済産業省や厚生労働省、自治体などがそれぞれの制度を用意しています。デメリットとしては、後払い方式であるため、起業をスタートする時の資金は別途用意しておく必要があるという点です。

【8】クラウドファンディング

クラウドファンディングにプロジェクトを登録することで、出資を募るという方法も近年注目を集めています。広く一般にプロジェクトを公開するため、資金調達が実現することと共に、プロジェクト自体のプロモーション効果も見込むことができます。

そのため、アイデアを実現し、爆発的に事業を立ち上げたい場合などに向いています。しかし、アイデアの参入障壁が低いと、ライバルに先を越されてしまうという恐れもあります。

お札の束を持つビジネスマン

7)起業資金についてのQ&Aコーナー

【Q1】自己資金ゼロでも資金調達はできるの?

起業のアイデアはあるとして、自己資金が全くないゼロでも、資金調達して起業は出来るのでしょうか。答えは、「起業自体は可能ですが、資金調達は難しい」です。自己資金ゼロだと、金融機関は積極的にお金を貸してくれません。日本政策金融公庫ですら、自己資金ゼロだと融資してくれる可能性はほぼありません。それは、自己資金の額で、融資元は事業に対する本気度を見るからです。

自己資金も用意できないような人が起業して、果たしてその事業は継続的に成功していくのかどうかと懐疑的な目で見られてしまいます。また起業後のキャッシュフローも、自己資金ゼロだとあっという間にショートしてしまう可能性が高くなってしまいます。起業するためには、ある程度の自己資金は必要ということになります。

【Q2】起業資金を友人や知人から借りても大丈夫?

起業時の慈訓調達方法として、友人や知人から借入を行うという方法もたしかにあります。しかし、友人や知人からの借入は慎重に行うべきです。友人や知人という近い間柄から借入を行うというのは、借りる方からすると頼みやすいというのはあります。

しかし、貸す方からするとお金に絡むことだけに複雑な気持ちになってしまうことが多くあります。返済の滞りなどから、後々トラブルに発展してしまう可能性もあります。そうなると、お金の問題だけでは無く、人間関係に問題が生じてしまうおそれがあります。

【Q3】株式譲渡や借入以外の資金調達方法は無いの?

株式譲渡や借入以外の資金調達方法が無いわけではありません。それは、必要の無い資産を売却して資金を調達するという方法です。使用していない資産は、キャッシュフロー的には流動性が低く、また事業的にも利益を生まないものですから、一度資金に変換して、別の有意な資産に投資するというのが正しい経営のやり方です。






まとめ

【1】起業資金として割合が最も多いのは100万円。

【2】起業後の苦労で一番多いのは「資金調達」「資金繰り」などのお金に関すること。

【3】資金調達には返済の必要が無いエクイティと返済が必要なデットがある。

【4】融資を受けられる割合は低いが日本政策金融公庫は利息も低く利用したいところ。

【5】自己資金ゼロでも起業自体は可能だが事業を成功する可能性が低くなってしまう。

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髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

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1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他