税理士を開業!年収・手続き・成功までのSTEPまとめ【最新】

これから税理士資格の取得を考えている方や、税理士資格をお持ちで企業で働かれている方でしたら、一度は将来の独立開業を考えたことがある方も多いのではないでしょうか。しかしながら、いざ独立開業となると失敗しないか尻込みしてしまうのも事実です。そんな方へ向けて、本日は税理士として独立開業を成功させる条件をお伝えします。






1)そもそも税理士資格って?税理士資格にも種類はいろいろ

【1】税理士試験に合格した者であること

税理士試験とは、税理士としての必要な学識や応用能力を有しているかを判定する試験で、年1回、毎年8月上旬に実施されます。

試験科目は必修となる会計科目(簿記論、財務諸表論)2科目と税法科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち3科目を選択(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)して、5科目に合格する必要があります。

必ずしも一度に5科目を受験する必要はなく、科目合格制をとっており、1科目ずつの受験も可能です。各科目の合格点は60点以上ですが、例年受験者の上位10%程度が合格となる相対評価のため、合格までには長い勉強時間が必要となる難関資格のひとつです。

【2】税理士試験を免除された者であること

税理士試験には免除制度があり、全ての科目合格をしなくても税理士資格を取得できる場合があります。

(1)学位による免除

修士又は博士の学位を授与された者は、試験の一部が免除されます。

(2)国税従事者における免除

10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除されます。

23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。

【3】弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む)

【4】公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む)

2)税理士の年収は?働き方による違い

【1】税理士資格の登録は3種類

(1)社員税理士:税理士法人に雇用され、会社員として税務業務などを行う税理士

(2)所属税理士:税理士事務所あるいは税理士法人の補助者として税理業務などを行う税理士

(3)開業税理士:社員税理士、所属税理士以外の税理士で、納税者から直接委託を受けて税務業務などを行う税理士

【2】社員税理士や所属税理士などのサラリーマン税理士の平均年収

日本税理士連合会によると、勤務税理士の平均年収は400~500万円程度の年収の方が多いです。勤務先の税理士事務所によっても違いはありますが、中には300万円台の税理士も存在するケースもあります。

【3】開業税理士の平均年収

以前は1000~5000万円程度、人によっては1億円とも言われていましたが、弁護士や公認会計士との顧客の奪い合いや、弥生会計などの使いやすい会計ソフトの普及で年収相場は下落傾向が続いているようです。

現在は300万円以下も珍しくない状況となっています。同じ開業税理士でも勝ち組と負け組の差がはっきりと出ており、勝ち組となるには、ただ税務書類の作成や納税業務の代行を行うのではなく、税理士自らがクライアントの要望や課題をヒアリングし、問題解決に向けてアドバイスを行うコンサルティングサービスへの注力がより重要になっています。クライアントにとって唯一無二のパートナーとなれれば、相応の収入を得ることは可能です。

スーツのネクタイを取る

3)独立開業の魅力とは?仕事の仕方は自分が決める

【1】魅力1:収入アップを目指しやすい

サラリーマン税理士と違い、自分自身でサービス内容やサービス料金を設定することができるため、売上の成果がダイレクトに自分の収入アップに直結するのは独立開業の魅力のひとつです。

【2】魅力2:定年退職がない

会社員の場合は定年退職がありますが、独立開業して個人事業主になると当然決まった退職年齢はありません。生涯にわたって好きな仕事を継続することができるのは大きな魅力です。

【3】魅力3:自分の専門分野で能力を活かせる

クライアントの職種も様々です。これまでの自分自身の職歴や経験を活かして、病院や歯科、整骨院、動物病院などのクリニック関連のクライアントに注力したり、飲食店やエステ、美容室といった特定の業種に限って集客したりと、これまでの専門分野を活かして仕事をすることができます。

【4】魅力4:働き方を選べる

個人事業主として働く環境を自由に選ぶことができます。東京や名古屋などの大都市に事務所を設けるのか、福岡や沖縄といった地方都市に事務所を設けるのかなどを自分自身が決めます。

相談業務だけでなく、セミナーでの講師業や書籍の執筆などの場合はインターネットの普及により、地方に事務所を設けるデメリットは今後減少していくでしょう。また、事務所についても自宅をオフィスにしたり、バーチャルオフィスやレンタルオフィスを活用したりと自由に決定することができます。

4)独立開業にかかる費用や手続きの流れは?

【1】独立開業にかかる費用

事務所を開業すると以下のような費用が発生します。余裕をもった初期費用の準備が大切です。

(1)税理士会の年会費

(2)税理登録の情報変更料

(3)パソコンやプリンター、コピー用紙や事務用品などの消耗品費

(4)事務所家賃

(5)机や椅子などの事務所備品費

(6)名刺作成費やインターネットサイト作成費などの広告費

【2】開業に必要となる手続き

これまでサラリーマン税理士として働いていた場合、税理士として独立開業するには「登録情報の変更手続」が必要です。東京税理士会によると、登録変更申請に必要なものは以下の通りです。

(1)変更登録申請書 (第25号様式)1通

(2)変更登録申請に関する届出書 (第26号様式)1通

(3)写真 (縦2.8センチ×横2.4センチ)1枚

(4)事務所所在地の賃貸借契約書のコピー、 事務所設置同意書、登記簿謄本のコピーなど

(5)変更登録手数料 5,000円

手続きには1ヵ月ほど時間がかかりますので、余裕をもった開業計画が大切です。

チェックポイント

5)成功するために必要な4大ポイント

【1】ポイント1:明確な目標を持つ

開業しただけでただ漠然と働いていてもクライアントからの依頼はやってこないものです。開業初年度の売上目標はいくらにするのか、獲得する顧客数は何人を目指すのか、また集客方法はどういった方法をとのかといった具体的な目標があるとないとでは大きな差が生まれます。

目標については例えば売上目標は1000万円など、具体的に数値設定するとよいでしょう。

【2】ポイント2:営業力をつける

独立してすぐは固定客がいないため、営業力の有無がとくに重要です。いきなり未経験で開業するよりもクライアントを多く抱えている税理士法人に実際に努めてみて、どうやって集客しているのかを体験して、学んでみることも方法の一つです。

勤務経験のないまま開業した場合には、素直に営業力の高い開業税理士の先生に教えを乞うことも重要です。

【3】ポイント3:ネットを活用する

現在は相談者もいきなり事務所を訪れるのではなく、インターネットで税理士について情報収集をして、自分にあった税理士を探すことが一般化しています。インターネットを活用して集客用のホームページを作成したり、自分の人となりを相談者に知ってもらうためにブログを活用して日記などを公開したりすることも重要です。

【4】ポイント4:別の資格を持つ

クライアントの相談内容は日に日に多様化しています。税理士業務以外の相談にも対応できるようにファイナンシャルプランナー、司法書士、社労士、中小企業診断士などとのダブルライセンスを取得することで、他の税理士との差別化にもつながります。

6)独立に関するQ&Aコーナー

【Q1】開業するタイミングはいつがいいの?

人によっては独立開業するタイミングは失敗しても失敗を取り戻せる20代の若い時がいい、40代になってある程度の税理士としての経験を積んだ時がいいと考える人もいれば、結婚を機に開業を検討したという人もいます。

結局のところ、独立したいと心から思えたときが開業のタイミングであり、ベストなタイミングはその人次第と言えそうです。

【Q2】開業初期費用はどうやって準備したらいい?

開業資金の資金調達には自己資金で準備ができるのが理想ですが、全額を自己資金で賄うことができない場合は公的融資の活用をおすすめします。日本政策金融公庫の新規開業資金融資では最大7200万円までの融資を受けることが可能です。

【Q3】妻が独立を検討していますが家庭への影響は?

まずはなによりもご夫婦で奥様の「開業」について話し合うことが大切です。税理士としての働き方も税務相談だけでなく、セミナー講師や書籍の執筆業務などと多様化しています。どんな働き方がご夫婦にとってメリットが出るのか検討してみてはいかがでしょうか。

【Q4】開業支援サービスを活用した方がいいの?

税理士開業の成功を謳った開業支援サービスも存在します。これまで税理士法人などでの勤務経験がなく、開業に不安を感じている方は活用を検討してもよいでしょう。ただし、高額なコンサルティング料金がかかる

ことも多く、活用にあたっては費用対効果が十分にあるのかどうかを冷静に判断する必要があります。

【Q5】バーチャルオフィスってなに?

バーチャルオフィスは、起業して事業を始めるにあたって最低限必要な住所や電話番号、FAX番号などをレンタルすることができるサービスです。レンタルオフィスと違って業務スペースはなく、住所や電話番号などを借りるだけになります。

クライアントとの打ち合わせなどには使えませんが、通常のオフィスと比べて遥かに安くオフィスを準備することができます。






この記事のチェックポイント

【1】税理士資格取得方法は税理士試験合格だけじゃない

【2】税理士の年収は働き方や能力によって様々

【3】開業税理士の魅力の一つは働き方を自分で決められること

【4】開業には一定の費用や手続きが必要なため、余裕をもった計画が大切

【5】成功には目標設定、営業、自己研鑽が不可欠

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髙村健一

1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他

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1973年4月26日神奈川県生まれ。髙村税理士事務所代表・株式会社トラストコンサルティング代表取締役。オーナー系企業・個人の富裕層向け税務コンサルティング、アドバイザリー業務を得意分野とする。LEC東京リーガルマインドの講師など、全国で講演活動やセミナーを実施。研修講演等実績:大同生命・ジブラルタ生命・三井住友海上あいおい生命・アクサ生命他。執筆実績:清文社「間違わない事業承継Q&A」(共著)・観光経済新聞社「税肉を落とす」日本金融通信社「ニッキンマネー・節税のノウハウ」他